もう、どうしようもなかった。

俺はカイの兄貴。

それは揺るぎない事実であって。

もし仮に、万が一カイが俺を好きになったところで、どうにもならない。


佐久間は、もう何も言ってこなくなった。

彼の目には今、俺はどんな風に映っているのだろう。

哀れな人間だと思うだろうか。

別に、それでもいい。

俺は永遠に「カイの兄貴」でいるしかないのだから。