――ごめん。 自分の部屋に入ってみると、机の上にはそんなメモが置かれていた。 書かれていたのは、たったそれだけ。 悔しい。 どうしていつも、お兄ちゃんは先回りしているんだろう。 悔しいけど、認めざるを得なかった。 お兄ちゃんに好きだと言われたとき、私の中の何かが弾けたような気がした。 私は、お兄ちゃんが好きだった。 ずっと、小さい頃から。 将来の夢は、「お兄ちゃんのお嫁さん」だった。