「カイ」

「・・・」

「俺は、カイが好きだよ」

「・・・」

「兄妹だからとか、そんなの言わなくても分かってるから」

「・・・うん」

「ごめんな、カイ」


お兄ちゃんはそう言うと、私の頭をぽんぽんと叩いた。

それから、佐久間さんを連れてその場を立ち去った。

気を遣ってくれているのが、痛いほど分かる。


私はこれから、どうすればいいんだろう。

どんな風に、お兄ちゃんと接していけばいいんだろう。

その答えを出せないまま、私は家路についた。