「別に、どうもしませんけど」
「えーじゃあさ、それ――」
「バカ佐久間。カイのネクタイ貰おうなんて、100年はえーよ」
「は?何でだよ」
「カイのネクタイは、俺が貰うから」
「え?そうなの、カイちゃん」
「じゃなくて、俺が貰うって決めてんだよ」
「わけわかんねー」
「ま、お前バカだもんな」
「そういう問題じゃなくてさ・・・お前、カイちゃんのこと好きなの?」
佐久間さんは冗談のつもりでそう言ったのだろう。
けれどお兄ちゃんは、いたって真剣な表情で、こう言った。
「好きだよ」
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