お兄ちゃんの周りにいた女子たちは、私に訝しげな視線を投げかけてきていた。 「望月先輩、その子誰なんですか?」 「あー、ごめんね?こいつ、俺の妹」 お兄ちゃんの答えに彼女たちは、妹なら仕方ないね、と口を揃えてその場から去っていった。 そして誰もいなくなるとすぐ、佐久間さんが私の顔を覗き込んだ。 「ねえ、カイちゃん」 「はい?」 「カイちゃんはどうするの?自分のネクタイ」