二人のことをぼーっと見ていると、佐久間さんと目が合ってしまった。

咄嗟に逃げようとした私を、佐久間さんが呼び止める。

途端に、周りの女子生徒たちの視線が刺さってきた。


「カイちゃん、ちょっと待ってよ」

「え、何でですか」

「何でって?それはさ――」


佐久間さんが、ネクタイを緩める。

・・・え、まさか。