「ねえ、カイ。お兄さん知らない?」

「ああ・・・何か今朝、ネクタイを渡す人は決めてあるとか言ってたけど」

「そっかあ。・・・あっ」


結衣が突然声を上げたのでどうしたのかと思うと、彼女の視線の先には、お兄ちゃんと佐久間さんがいた。

・・・さすが、ツートップ。

群がっている女子の人数が半端じゃない。

お兄ちゃんなんかの、どこがいいんだろう。

それより二人は、誰にネクタイを渡すつもりなのだろう。

どうやら今のところ、両者ともまだ自分のネクタイを締めているようだった。