「そういえばさ、1年の小松って子、知ってる?」
「小松?誰だそれ」
「小松・・・結衣、だったかな。カイの友達みたいなんだけど」
「あー、聞いたことある名前。その子がどうかしたのか」
「なんかこないだ急に話しかけられたから、どんな子なのかと思って」
「詳しくは知らないけど、あの子、校内の男子の中では可愛いって有名らしいよ」
「へー、そう。俺の趣味じゃないからどうでもいいわ」
彼の発言に、危うくオレは吹き出しそうになる。
オレはお前の趣味なんか聞いてねーよ。
そう思いながら、オレはまたコーラを飲んだ。
それとほぼ同時に、佐久間さん、と背後から名前を呼ばれた。
振り返ると、カイちゃんがオレに自分の携帯電話を差し出していた。
「あの・・・私の友達が、代わってほしいって」