俺たちは適当に約束をして、それから電話を切った。

ちなみに電話の相手は俺の親友、佐久間海斗(サクマ カイト)。


電話を切ってから、ようやく俺はベッドから起き上がる。

それから何となく、リビングへ向かう。

食卓の俺の席に、置き手紙があった。


――お昼は冷蔵庫の中です。あっためて食べてね。


走り書きでぐちゃぐちゃな、お世辞にもきれいとは言えないカイの文字。


それを見て、俺は佐久間に「ごめん、行けなくなった」とだけメールを送り、携帯の電源を切った。