『俺さ、初めて本物見られた』
『だろうな』

あいつの声が 俺の耳元で聞こえる。

俺とは 逆さまに寝転がってるあいつに言葉を返す。



天窓から見える夜空を2人で見つめる。
帰ってきた後、なぜかあいつは俺の部屋に来た。
"ヨイン"とやらに浸りたいらしい。


『今までも見たかったんだけど、曇って見えなかったり うっかり忘れて寝たりしたんだよ』
『お前らしいな』
『どういう意味だよ』
あいつは笑う。



『来年も見られっかな、流星群』
『見ようぜ。特等席で』
『よーし約束な』


トン。

俺が少し上げたこぶしと、
逆の方向からきたこぶしが合わさった。