最後の1段を2人で飛ばした。
『つっ……着いた……!』
あいつがぜーぜー息をはきながらつぶやく。
『……あんなに、飛ばすからだろ……』
それは俺もだけど。
とりあえず出す息は控えめにしとく。
『それより、どこで見るんだよ?』
うんていの上とか、すべり台の上とかいろいろあるけど、
「ジャングルジム!」
『ばか声でけえ!』
びしいっと勢いよく指さして叫んだあいつの口を俺はとっさに手で押さえた。
『ほめん(ごめん)』
『ハアアアア……』
ほけっとした顔であやまるあいつに
俺は特大ため息をついた。
『……登るか、ジャングルジム』
『おー!』
空の色で塗られたジャングルジム。
あっという間に上がったあいつは、一番上でそわそわ揺れている。
俺もひょいひょいと上がって近くに座った。
満天の星がきらめく。
改めて見た夜空は、濃い青や紫に見えた。
『なんかさーアレだな。布に、光る石めっちゃ縫いつけたみたいだ!』
『ずいぶんロマンスなこと言うな』
『えー、だってそれっぽいだろ?』
そう言ってあいつが笑ったとき、
空にシュッと線が入った。
『……ん?』
『?どうし……あ、』
シュッ、
今度は2本。
きらめく線が空に描かれる。
流れてくように見えるのもあれば、
線がピッと出現するようなのもある。
縦、横、斜め、
いろんな方向から光の線が現れては消えていく。
見逃さないように目を凝らす。
あいつも集中してるのが空気で分かった。