間もなく受付開始の時刻だと言うのに、準備はまるで進んでいなかった。

しかし、そんなことはお構いなしという様子で、彼女は鼻歌なんかを歌っている。

全く、彼女は責任感というものが欠落しているのだろうか。


「あー、疲れた。ねぇ、疲れない?」


額の汗を拭いながら話す彼女に、僕はほんの少しだけ苛立ちを覚える。