「ねえ、生きてる?」 彼女は唐突にそう言った。 視線こそ向けられていないものの、僕と彼女しかいないこの教室で、それが誰に向けられた言葉であるかは明らかだった。 「死んでる」 僕の答えが可笑しかったのか、彼女は声を上げて笑った。 僕は大喜利をしたつもりなどないのだが。 何が楽しくて、こんな真夏日に、母校の空き教室の掃除をしなくてはならないのか。 暑さと怠さで、本当に死んでしまいそうだ。