千明くんは私から離れた。

「花音の音、世界中に響かせろよ。たとえ遠くに離れても、お前の音はどこに行っても俺に聞こえるから。だから、頑張れ!負けるな!夢を叶えろ!」

千明くんは私の手を掴んだ。その手は温かった。

「うん‥ありがとう!千明くん!‥わ‥私‥頑張るから‥。ピアニストになって帰ってくるから‥。」

そう言って私は千明くんから離れた。





千明くんは、ずっと私に手を振っていてくれた。

私も涙をふき‥最高の笑顔で言った。



「千明くん!大好きだよ!!」


千明くんとの思い出は宝物。だから忘れない。絶対に。



私はみんなが笑顔になれる演奏をする。

みんなを悲しませるような演奏はしない。




私がピアニストになって帰ってくるまで、待っていてね。愛する人、千明くん。