外に出るともう真っ暗だった。

「秋になると日が沈むの早いね。」

私は思わず秋の空を見て言った。

「そうだよな。夏はまだ明るかったのにな‥。」

私は少し、千明くんをからかいたくなった。

「そういえば、千明くん文化祭でメイドやってくれるんだよね?楽しみだなー。千明くんのメイド!」

そう言うと千明くんの顔が赤くなった。

「ば‥バカ!それを言うなよ!せっかく忘れてたのに‥。うー。」

やっぱりかわいい!

「ごめん。そんなに嫌だったんだ。じゃあ、私とかえる?メイドだけど。」

「やっぱお前、性格悪いだろ!‥‥俺は、お前の前でメイドになんかなりたくねぇよ‥。」

千明くんは顔を私からそらして言った。

「それってどういう‥。」

「そのままの意味だよ!俺は好きなやつの前でそんな姿、見せたくねぇよ!恥ずかしい‥。それに‥お前のメイド姿も他の奴らにも見せたくない‥。」

千明くんは真っ直ぐに私の顔を見ながら言った。

「‥こんな俺て欲張りかな?ずっと‥もやもやしてて‥。」

恥ずかしそうにまた顔をそらした。

「ううん。そんなことない。私は嬉しいよ。千明くんから言われて。」

「そうか?無理してない?内心、ひいてるんじゃないか?」

「そんなことない。千明くんが思ってることを話してくれたから私は嬉しいよ。」

私は本当にそう思えた。

そんなことを話しているとそれぞれ帰る分かれ道がやってきた。

「じゃあ私はここで。お疲れさま。文化祭頑張ろうね!」

「ああ。またな!」

そう言って私と千明くんはそれぞれの家に帰って行った。









文化祭当日がやって来た。


「いらっしゃいませ!!!」

花音のメイド喫茶もオープンをした。


意外にも大繁盛だった。休むまもなく次から次へと人がやって来た。

あれほどぶつぶつ文句を言っていた、男子たちもメイド服を来て商売をしていた。

また、新しい人が入ってきた。

「いらっしゃいませ!」

「あ‥花音じゃん。一瞬、誰だか分からなかった。」

そう言ってやって来た人は樹生くんだった。

「あっ!樹生くん!‥結ちゃん呼ぼうか?」

「な‥なんで、そこで結になるんだよ。」

するとそこへタイミングよく結ちゃんがやって来た。