「えっ!?な‥なんで、わかったの?」

もしかして千明くん‥

「別に心を読んだわけじゃないからな。それはしないて約束したし。‥じゃなくて音が弾んでたから。いつもはもっと滑らかで静かなのに今日はなんか弾んでるなーと思ってさ。」

千明くんは何もかもお見通しみたいだ。

「‥で何かあったの?」

千明くんは近くから椅子を私の近くまで寄せながら聞いてきた。

「うん。あのね夏休みに私、結ちゃんとお泊まり会することになったんだ。私、うれしくてうれしくて。」

言ってるだけで嬉しくて顔がにやけてしまいそうだった。

「お泊まり会するんだ。いいなー!俺もまぜてー!」

「駄目!男子禁制だよ。」

「花音まで、結みたいなこと言うなよー。」

そう言って私と千明くんは2人で笑う。

「ま、さっきのは冗談だけどね。」

「だと思った。」

楽しくてまた、笑ってしまう。

「花音てさピアノひいているときて本当に生き生きとしてるよな。」

「本当に?」

千明くんに言われるとちょっと嬉しくなってしまう。

「うん。俺には分かるんだ。ピアノをひいている花音がどんな気持ちでひいているのか。言葉にしなくても花音の気持ち分かるよ。」

千明くんが優しく言う。

ドキッ また、私の心臓が高鳴る。

「あの返事‥急がなくていいよ。ゆっくり考えて。あれは、俺の気持ちを伝えたかったから言っただけなんだ。」

そう言うと千明くんは立ち上がった。

「いい返事、待ってるよ。」

「うん。‥ごめんね‥。」

そう言うと千明くんは笑った。

「あやまらなくていいよ。‥あっ、そうだ。花音、今年の夏祭り誰かと行く?」

急に話題が変わった。

「えっ!夏祭り?ううん。誰とも行かないけど‥。」

「じゃあさ‥俺と‥行かない?」

「えっ!?」

突然のことに驚く。千明くんには驚かされてばかりだ!

「嫌だったらいいんだ。花音にも予定があるだろうし。ただ聞いただけだから気にするな!」

千明くんが慌てたように言うが‥

「行く!!行きたい!千明くんと行きたいです!!」

勢いよく私は言った。

「本当に!?やった!!確か、お盆前だったよな。じゃあ、詳しいことはまた連絡するから!またな!」

そう言うと千明くんは上機嫌で音楽室を出ていった。

私の心はとても温かかった。それもこれも千明くんのおかげだよ。