幻滅されるか、先に心が壊れるか。それくらいの努力家なんだ。


自覚のない完璧主義で、期待に応えないと気が済まない姉。





どっちにしろ、期待外れだと思われるのには違いはなくて。

だとしても、限界が来るまでは無茶をするのだろう。







可愛がられた分、手を掛けられて器用なのではなく、たまたま器用だったから、可愛がられたのだ。







早い段階で視線を繋ぎ止めようと、頑張った結果が自分の首を絞めた。

我武者羅すぎて、そんな不器用な生き方に全力だった。




気づくのが遅くって手遅れなくらい、姉は疲れきってそれでも踏ん張っていた。









でも、そんな彼女が凄く格好いいと思える。器用に生きるより、何倍も。







好きな事で成果を出せば、それはきっと当たり前の事で。

苦手な事を平均にこなせば、それは普通の事で。




中途半端くらいが良い具合なんだ。

それが器用なくらいだけど、どうしても味気なく思えてしまう。



私はそんな人間なんだろう、きっと。






だからずっと、苦しいと言えなかった。努力もしない私が、何を言っても嫉妬にしかならない。


諦めるしか、開き直るしか無かった。
自分が悪いと言われて、後悔する事が目に見えていたから。




嫌なら同じようにすればいいだけだと、言われる気がしていた。







どんなに嫌で苦しくても、いい訳だと言われるだろう。


そうまで言われてもっと苦しむなら、言葉にせずに自分だけで完結させてしまえばいい。