完璧に近い事に越したことはないだろうけれど。
お生憎、人が在るのは性格の上であって、自分達が間違えている事をそろそろ察してほしい。
他人には無気力に見えても、こっちは現状維持にすら必死なんだ。
今の習慣すら手放せないのだ。
不安で不安で仕方ないんだ。今の自分では駄目なんだと、しっかりした立派な姉を傍で見てきたから。
いい訳じゃない、自分の行動に意味を与えたいんだ。
人から褒められたものではない自分を、どうにか自分で認めるのに悩んでいるんだ。
そうじゃないと、今は辛いから。
ああは成れなくても変わらなきゃ、私はずっと"姉の普通"を押し付けられてオマケ扱いだ。
知らないでしょ?
あからさまな態度に、自分で自分を姉と比べるしかなかったこと。
なんの根拠があって、私に実力があると言える?
努力をすれば結果は残る、そんなの当たり前じゃないか。
これまで何もしてこなかった私に、継続する力があるとでも?
やる気があればできる、なんて根性論で私はこんなに振り回されているの?
開き直ったつもりは無いけど、姉と私を無理に比べる必要も無くて、そんな人達を気にするだけ時間の無駄だと今更知った。
それだけで随分と気楽になれた筈だった。
それでも大人達の噂話は意外と耳に入るんだ。
ずっと聞こえてた、後ろ向きな声が。私に対する声だった。
笑っていても、必然的に目を醒された。
越えられない壁は姉じゃなかったから。
いい子なんだと決めつけられた姉が、一番苦しんでいたのに。
私にさえ目を向けないなら、彼女はずっと期待の上で独り歩きする幻像を背負ってた。