それからは家路について、考え事をしていた。





読んでいた本は借りなかった。




図書室で過ごしていて楽しかったから、また来ようと思って。




栞を挟むわけにもいかないからページ数をメモ帳に書いて、


名残惜しい気もするけど本棚に戻した。







"借り方が分からなかった"が正しいけど、他にも理由はある。







先輩とまた話したい。



だから、また図書館に行けば会える気がした。







あと、名前聞いてない。



それに学年は靴でわかったけど、クラスも知らない。






また行って、聞かなきゃ。



またじゃなくて明日、明日の放課後も行こう。







そんな風に、明日の事を決めながら歩く。




思い込んでたより、抵抗無く読書していた事を今更ながらに気づく。



勝手に苦手意識を持っていただけで、普通に楽しんでいた。




（読む機会を自分で失くしてきたのは、勿体無かったのかも）