先輩には要望通り、本を3冊教えてもらった。
そのうちの本を1冊手に、鞄を置いた席に戻る。
先輩は本を返しに来ただけらしくて、その後帰っていった。
教えてもらった本はどれも面白そうで、推理小説2冊と青春もののノベルだった。
その中から、青春ものを選んだ。
なかなかマイナーな作品で、くどいほどメディアで特集されている話題作じゃなくてよかった。
話題の小説も面白いだろうけど、
流行だけを追って読書してますっていうのは共感できない。
一、個人の意見でしかないけど。
作品を好きになるのは自由だけど、
それひとつだけの作品で趣味と言うには違う気がする。
(せいぜい、きっかけ位に抑えておけって思う)
読書をしないからだろうか。
本当に好きな人はきっかけはともあれ、他にもたくさん読んでいるイメージがある。
ただの偏見だけど、流行だけが全てじゃない。
お洒落や流行りに疎いから、そう思うだけかもしれない。
そんな事はどうでもいいけど、珍しく読書がはかどっている。
時間も忘れて、本の世界観に引き込まれていた。
青春ものといっても、
ありきたりな物語の要素に日常風景のひとこまがある。
フィクションなのに現実味を帯びていて、
存在しそうなほどの登場人物の性格。
きっちりと型にはまらなくて、誰もが心の中に隠してるリアルな部分を書いてある。
でもフィクションならではの世界観が崩れていないストーリー。
ほんの数十ページで、そんな内容がわかってきた。
まだ読み進めたいところだったけれど、時間的に館内の人が少なくなってきて。
閉館時間がわからない私は居座れなかった。