「よろしくね!私、繭美」


また相手から話しかけられるのを待ってしまった。


話しかけた者勝ちだということは理解してるが、もしものことを考えると口が動かなくなってしまう。


私は臆病者。


自分から話しかけるしかないことをわかっているのにも関わらず何もしない。


中途半端に殻を破って飛ぶセミのように。


私を新たな日常へ引き戻す気怠い階段。


楽しそうな者もいるが、無言状態の者もいた。


人それぞれなんだ。


それから周りの表面だけの格付けが始まる。


勝手な価値が付けられる。