え?
「いいの……?」
「おぉ、しゃあねぇからあいつらの為に一肌脱いでやるか」
腕を組んでウンウンと頷く魁。
嬉しくて、私の頬がみるみるうちに緩んでいく。
「その代わり、このこと誰にも言うなよ。特に明菜ちゃんには絶対」
魁は真剣な顔つきで私に近付いた。
誤解されたくないんだよね。
私と付き合ってるとか噂が流れないように。
これは魁からしたら……当然だよね。
仕方ないことだ。
「うん……わかった……」
そんなに、嫌なんだ。
でもそれなのに来てくれる事、感謝しなきゃ。
「じゃあ来週の日曜日‼私は彩葉に言っておくから、よろしくねっ」
「おう」
そろそろ明菜が帰ってくると思い、私はそう言うと魁に手をふって足早に教室に戻った。