「な、何だよ……」
戸惑い気味の魁に、私は急いで言い訳を考えた。
「せっかく両思いなのに、それじゃあ面白くないじゃない。だから私たちがいい機会作ってあげない?」
「機会?どうやって?」
興味深そうにたずねる魁。
よし……これならいけるかも。
「じゃあ、私たち4人でデートとか‼」
「デートぉ!?」
廊下全体に響いた声。こちらに集まる視線。
私は慌てて人差し指を口に当てた。
「声大きい‼聞こえるでしょっ」
「あ、ごめん」
頭に手を当てて、魁は悩んでいるようだ。
言わない方がよかった?
やっぱり迷惑だったかな……?
私もなにも言えなくてじっと魁の答えを待つことしか出来なかった。
「……じゃあ遼也に言ってみるよ」