よし、今がチャンスだ。


私はいかにも自然に見せかけながら、魁に歩み寄った。



「魁」


「おう。どうした？」


「あのね……ちょっと大事な話があるんだけど」



いざ魁に話そうとすると、緊張する。

早くしないと明菜が戻ってくるかもしれないのに……



「実はさ、彩葉が遼也のこと好きみたいで、魁にも協力してほしいんだけど……」





「え？まじで!?」



そんなにビックリすることでもないのにな……


なんて思ってたら、魁は驚くことを口にした。





「だってさ……あいつも好きだぜ？彩葉のこと」



「え!?」


「それに俺……あいつの相談受けてるし」



そういうことか……それならここまで驚くことにも納得。


何だ……彩葉と遼也、両思いだったんだ。



「じゃあさ、遼也にそのこと言って……」





「だ、ダメ‼」


思わず大声で叫んでしまった。



だってそんなことしたら……ダブルデートしなくてよくなっちゃうじゃん。