「やっぱお前とはこういう仲じゃねぇとなっ‼」
魁は、好きな人には好きだからこそちょっかいなんてかけない。
いつも優しくて、男らしいんだろうな……
こうやって言い合いできること。
嬉しいけど、複雑になる。
思い知らされるから。
あぁ、魁は私のことただの友達としか思ってないんだって。
こういうことでしか魁と笑い合える時はないと思う。
けど、それで嬉しいかと聞かれたら、絶対に“はい”とは答えられない。
「じゃあな片桐。また明日‼」
「うんっ、じゃあね!」
去っていく魁の後ろ姿。
でも今はこの関係を、失いたくない。
明菜と、魁と、私。
これがあの三角関係ってやつかな。
私は2人からしてみたら、ただの邪魔者にしかないだろうけど。
でも、無理だってわかってても、このままノコノコ身を引くのも嫌。
結果をハッキリとさせるためにも、私は魁を諦めたくない。
彩葉と約束したあのこと、明日ちゃんと魁に言おう。
このまま時が過ぎるのも嫌だから。
しない後悔よりも、した後悔の方がよっぽどマシ。
どんな答えを出すかは、魁次第――