「桜綾?」
「!?」
「何ボーっとしてんの?」
「え!?いや、別に……」
何動揺してんの私。
きっと無関係なんだから
むしろ魁は私に怒ってるんだし、昨日のことは意味ないはず……
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結局、魁に話しかけることが出来ないまま学校が終わってしまった。
もうずっと、このままなのかな……
そんなことを思いながら1人で歩いていたら、後ろの方から誰かの走ってくる足音が聞こえた。
「?」
後ろを振り向こうとした時、タイミングよく私の手が掴まれる。
「片桐っ!」
「っ‼」
足音の正体は、魁だ。
全力で走ってきたせいか、すごく息切れが激しい。
「魁?どうしたの?」
呼吸を整えている魁。その間にも、手はしっかりと掴まれたまま。
「ごめん……片桐」
「へ?」