それに明菜の耳に入ったらまたややこしくなりそうだしな……
でもいいチャンスといえばいいチャンスだし。
彩葉の恋も上手くいくかもしれないし……
う~ん……と悩んでいた私だが、考えぬいた末、結論を出した。
「わかったよ。1回言ってみる」
「ホント!?やったぁ‼ありがとう‼」
ギュッと、私の首に腕を回す彩葉に小さく笑った。
まぁ彩葉の恋の応援の為って言ったら、私の気持ちにも気付かれないだろうし。
魁が来てくれる確率も上がる。
それに彩葉にはいつも助けてもらってるからね。
ここは彩葉の為に頑張ってみるか。
今、やってきたのは魁のいる教室。
だけど私は扉の前に突っ立ったまま。
気まずい。
やっぱ昨日のこともあるし、声をかけ辛いなぁ。
悩んでもう数分。休み時間がなくなってしまう。
「違う日にしようかな……」