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「誰?今の」
軽い足取りで去っていった女子を目で送ったあと、茶髪の髪をカリカリかきながら侑介は不思議そうにいった。
「ごめん、アレ俺の知り合い。隼人のこといろいろ聞かれたことあったわ、そういえば。適当に流しといたけど、悪ィ」
「なんだ、龍の知り合いか。おまえー、ああいう女子の世話くらいちゃんとしとけよ」
「隼人目当ての女子の世話役か、俺!」
龍は心底めんどくさそうに、ゲッと顔をゆがめた。
「隼人が女嫌いなの知ってんでしょうに」
「今のはほんと悪い。ガツガツくるやつで」
二人の会話を聞きながら、俺は道に立ち並ぶ店に目を流していく。
後ろの二人はさっきの女のことでいろいろ話してるが、俺の中ではもうそんなことに興味はなかった。
考えてるのはもう別のこと。
といっても、いつもこのことばっか考えてるんだけど。
洒落た店がずらりと並んでいるストリートを見ながら、「こういうとこを歩いて回るだけでもいいな」と思った。