思わず小さく声を漏らすと、察したようにゆっこがせわしなく辺りを見回す。


「いた? どこどこ」


私は塊でやってくる集団を指さした。



「あの、真ん中の金髪の人」


「うそ、マジ? あの人?」



何に対してか、彼を見るとゆっこは驚きで目をまん丸くして見つめる。



「予想以上にレベル高いんだけど!! 麻由、ほんとにあんなイケメンと付き合ってんの!?」


「つ、付き合ってないって!」


「あ〜あ〜…、えらい王子に気に入られたもんだね。でもなんか冷たそうじゃない? あんまり表情動いてないけど」


「え、そう?」


私はゆっこと同じように正門から顔をのぞかせて見てみる。



…うーん、そういわれればそう見えるけど


いつも通りといえばいつも通りなような気もする。



だけど、私と話しているときのような雰囲気とはまた少し違っているのは確かだ。


なんていうか、気を許してる仲間に対しての独特の感じ。



優しいっていうより、なんだろう、緩い?

落ち着いてるっていうか、余裕があるっていうか。