「ゆっこー…、私たち今相当怪しい動きしてると思うんだけど」


「気にしない気にしない。なんか言われたら友達に会いに来たって言えばいいんだから」


「でも、校門から校内を覗き込んでるってのはちょっと…」


案の定さっきから下校する生徒たちの視線が痛い。


私たちの高校の制服は、高校にしては珍しいセーラー型の制服なので余計浮いて見えるし目立つ。



「ていうかほんとにこの高校で合ってるんでしょうね?」


「た、たぶん?」


「まったく…あんだけ高校聞いてこいって言ったのに結局聞いてこないんだから。もし間違ってたらあたしたち本当にただの不審者になっちゃうわ」



ため息をつくゆっこに申し訳ない気持ちを抱きながら、私は道行く生徒たちを目で追っていく。



玉川城西高校。


現在私たちはその高校の正門にて張り込み捜査をかれこれ30分くらい続けている。



昨日のメールの件を朝一でゆっこに確認すると、放課後城西高校に様子を見に行くことを告げられた。