「あ、の……」


穴があったら入りたい気分で、大福を持っていた手をそろそろと下げる。


あぁ…もうなんで私ってこうなんだ。


あのときの肉まんの場面といい、初めて会った時の抹茶ソフトクリームのときといい

なんか食べ物に対する執着ばっかりみせてる。


し、死にたい。



隼人くんだってあきれて言葉もでないみたいだし


一緒に帰れて嬉しかったのに、なんかもう雰囲気ぶち壊し…



「………っぶ…」



「へっ?」



「くっ…はははっ、お前、ほんっと好きなんだな、大福」




いきなりふきだして笑いだす隼人くんに、私はぽかんと阿保みたいに口が開いてしまう。




「前から思ってたけど、麻由。たぶん恋愛より食いもんのほうが興味あるだろ?」


「えっ!?いや、そんなことないです!
私だって恋はするし、そりゃあ甘いもの大好きだし食べることも大好きだけど、それとこれとは比べられません!」


「へー、でも大福は今食いたいんだろ?」



「…………………」



言い返せない私にまた肩を震わせて笑う隼人くん。



も――…かんっぜんにからかわれてる