「隼人くん、甘いもの好きですか?」
「まあ、嫌いじゃない」
私は隼人くんからスクールバックを受け取って、ごそごそと中身を漁る。
「実はね、さっきバイト先の副店長から差し入れもらったんだ」
じゃーんとさきほどもらった大福を取り出す。
「2つ入ってるんだけど、よかったら隼人くんも食べない?」
「今?」
「うん、今!」
と言ってしまった後に、ハッと我に返る。
私歩きながら何言ってんの!
普通女子高生ってこんな太る夜中にしかも歩きながら大福食べようなんて誘わないよね!?
また食い意地張ってる娘って思われた!
叫びが喉元までせりあがってきて、寸前で飲み込む。