度胸ない私にはいきなり告白なんて無理だよう……。
私はオレンジジュースの缶をベコベコいじりながら、机にどすっと頭を横にさせる。
「……恋ってたいへん」
ぽろりとため息まじりに呟く。
「悩むときはね。だけどそれ以上に楽しいし嬉しいことの方が多いよ」
「……ん」
ゆっこの柔らかい声に母性を感じて、少しだけほっとする。
とにかく今日、バイト終わったら隼人くんに会えるんだ。
そのことを素直に喜んで
私が伝えるべきことはゆっくり進めていこう。
考えに整理がつき始めたころ、
ちょうど次の授業担当の先生がやってきて、号令の合図がかかった。
よし、まずは授業がんばろう。
今日はテスト返しの日だし。
テスト…
…………あ、テスト…返ってくるのか……。
さっきの決意から早くもげっそりした気持ちに変わり
補習は免れるようにひたすら祈りはじめた。