侑介「………まあ、話してりゃおいおいそういう話もでてくるだろ!」


龍「そうだよな! 考えて出すようなことじゃねーし、話の流れに任せようぜ」


彰「異議なしー」


唯子「………ほんと、なんであたしもここで飲んでんだか」







龍「ーーーなあ、誰かじゃが○こ食ってる?」


侑介「まだ誰も手つけてなくね」


龍「せっかく奮発してみんなの分買ったんだから誰か食べてよ」


唯子「あたし、たらこ派なんだよね。ある?」


彰「ご丁寧に全種類あるよ。じゃがバターがいい人ー」


侑介「俺! 俺じゃがバター派!」


龍「俺サラダ!!」


彰「だめ、サラダは俺。お前チーズな」


龍「ちょ、買ったの俺だろ!?」


彰「お前、俺にどれだけ奢ってもらったと思ってんの? これだけは絶対譲らん、俺サラダだから」


龍「あっ、もう開けてるし!」


侑介「諦めろ、今回はお前が折れるのがスジ」


龍「え〜…、ま、いいか。たしかに彰には奢ってもらったし、チーズもうまいしな」


(しかし名残惜しそうにサラダを見つめる龍)

(彰、素知らぬ顔でガリガリ)


唯子「……そういえばさ」


侑介「ん?」


唯子「藤崎くんて、常にチュッパチャプス常備してるんだってね。麻由からきいた。意外とそういうキャラなの?」


侑介「ああ、それ提案したの俺」


唯子「なんでそんなこと提案したのよ? はっきりいってギャップありすぎて噛み合ってないのよね」


侑介「いやー、あいつなんも表情動かさねえし、そんなんじゃ女にモテねーよってことでせめてものカモフラージュ。我ながら名案だと思ったけどなあ」


龍「…ゴホンッ、えー、ここで俺が付け足していいスか?」


侑介「付け足し?」


(龍、パラリと怪しげな台本をめくる)


彰「……なにその本?」


龍「企業秘密。…えっとな、チュッパチャプス食べるようになったきっかけの設定は実は別にあるんだよ」


唯子「はあ?」


侑介「え、なに、もしかしてその本この小説の裏情報書っ?」


龍「『不良といえば、くわえタバコに着崩した黒い学ラン。しかし学生タバコの描写はいろんな意味でまずいので、無愛想のカバー材料ということでチュッパチャプスに決定。口から白い棒さえ出てればタバコっぽく見えるっしょ!』……です」


彰「……………」


侑介「…マジでパッと考えただけのやつだ。俺のカモフラージュ的設定ってついでってことやんけ」


唯子「てかこんなに赤裸々に明かして大丈夫なの?」


彰「自爆だな」


龍「あーあともうひとつ、チュッパチャプスの商品名をもろに出してるけど、著作権に引っかかったら恐ろしいと作者は危惧しているようだな」


侑介「だからじゃが○こはこの表記なんだ」


彰「てかその時点でチュッパチャプスの案はボツのはずじゃねーの!?普通。よく押し通したな〜」


唯子「くわえタバコはやりたかったんじゃない? 不良の定番だし。実際ただの飴だけど」


龍「つってもじゃが◯こもチーズだのサラダだのもろバレ要素満載だな。多分近いうちにこの小説抹消されるぞ」


唯子「どんまい」


侑介「それはさすがに軽すぎ…」


彰「誰も惜しまない…だと……」


(哀愁漂う一室)