「あ、あの、隼人くん??」
なんだか剣呑な雰囲気が…
怒りすら感じさせる空気に思わず身が引く。
「なあ」
「は、はいっ」
怒られるのかも、と思って拳を握って体を緊張させた。
「今からうちに来れば?」
「…………………はっ?」
え、今から?
見ると隼人くんはまだ怒ったような顔で、でも私を叱るような気配はなく、ただ今の言葉はすでに決定事項なようだということは無言の圧力で伝わってきた。
いやでも、今からって、さすがにそれは早すぎるというか
家の人もいきなり来られて迷惑しないかな、とか
私の気持ちにもいろいろとあるわけで…?
「誘われてもなんも疑わずについてくんだろ。先でも今でも変わんないし、俺は早いほうがいい。麻由だって早く猫みたいだろ?猫が」
「え、うん、えっと…もちろんみたいけど…でも」
なんだろう、やたらと猫を強調する隼人くんになんらかの意図を感じるのは、きっと気のせいじゃない…よね。