「見にくる?」


「!? いいの!?」



あからさまに目を輝かせた私を見て、隼人くんは少しふきだしてからうなずいた。


「いいよ、ただあんまり懐かない高飛車な猫だから、引っかかれるかもよ」


「全然平気! 遠くからでも見てみたい!」



隼人くんが可愛がってる猫にはとても興味がある。


気が強いネコさんなのかな。


もしかしたら隼人くんと性格が似てたりして。

その猫には隼人くんでれでれだったりするのかなー。


なんだかいろんな想像ができて面白くなってきた。



「いつ見に行けるの?」


「…なんか急に食いついてきたな…」


「だって猫好きだもん、見てみたいよ」


「お前、猫だけにとらわれすぎて、他のことに思考向けられてないんじゃないの」


??


他の事?



私は再び先ほどのように首をかしげると、隼人くんは「やっぱりな」というようにため息をついた。



「そんな簡単に男の家に誘われてついてきていいのかってことだよ」


「男の…? でも、隼人くんの家でしょ?」


「まあ、そうなんだけど」



そうじゃなくて、となにかおおいに悩んでいる様子でカリカリ頭を掻いている隼人くん。


「まさか、麻由、今までこんな風に家に誘われてホイホイついてったりしてねえだろうな」


「え? してないよ! ていうか誘われたことなんて…」


あ、でも

小学生のときに仲が良かった男の子の家に誘われて遊んだことがあったな。

ゲームしたりままごとで遊んでただけだけど。



「………」


あ、あれ。



何も言わなかった私の間をどう受け取ったのか、隼人くんの表情がみるみるうちに堅くなっていく。