隼人くんはなにも言わないままひたすらどこかへと進んでいく。 街の大通りを抜けて、さらに曲がって 静かな路地を抜けると再び前方の道がにぎやかになってきた。 あれ。 そこではじめて気づく。 見覚えのある雰囲気の道だ。 気づき始めたころ、私たちは大きな繁華街の通りに出た。 「やっぱり…」 夜と同様ににぎやかで華やかな大通りは、私がいつもバイトの帰りに通るあの繁華街だった。