二年の秋
結婚を前提なので親を紹介




「お兄ちゃん、これ私の婚約者。」
私の兄は学校では優等生で学校一のイケメン
家でも割とそのまんまです。

「君が俺の妹の婚約者のえっと冬紀ユキ?くん」
「あ、いやユキノです。」

兄はそう言う冬紀くんをまじまじと見ると急にあげないよ、妹はと本をペラリと読み始めた
本当に面倒くさい兄だ。

「あんたの所有物なの?」

冬紀くんが顔色を変えて兄を睨みつけた
そして静かに時は進む
誰も止められないだろう、この二人の不穏な雰囲気を。

「口の利き方を弁えたらどうかな、餓鬼」

「抗弁を垂れるな反吐が出る、ですよ。お兄」

「誰がお兄だ、クソ餓鬼」

二人の論争の中急にチャイムが鳴った
私が出ると夕空という女が兄に呼ばれて来たらしい、兄にそれを伝えると誰よりも先に冬紀くんが夕空という人のところへ行き話していた。
楽しそうに話すその人が羨ましい。

「久しぶりだね、カエデちゃん、相変わらず兄貴と一緒に居んの?」

「うん」

「そ。」

私には何のことやら意味がわからなかったけど、取り敢えず兄が出て行く様でホッとしている。
あのまま論争を続けられちゃ身が持たない。
兄が嬉しそうに出て行く中二人きりになると冬紀くんが
「面白いお兄さんだね」
と笑うものだから、そうでしょうと私も笑った。

婚約者を紹介したのにこれでよかったのだろうか。

冬紀くんが楽しめたなら、まあ紹介して良かった