「俺……好きになった人がいるんだ」
驚いて、眉がピクリと動く。
平然を装って、何とか唇を噛んで我慢する。でも、その必要は無かったのだと、すぐに気づいた。
好きになった人……
──あぁ、そっか。
何を勘違いしてるのよ。私は。
そう言い聞かせると、何だか他人事のように思えて、「そうなんだ」と、普通に返すことができた。
自分でも驚くほど、冷静な声だった。
「もうじき、ゲームが終わる。これが……夢だったとしても、現実だったとしても。俺はきっと、皆に会うことは、もう二度とないだろうな……」
「……」
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