悠真はこんなにも近くにいる。小さく息を吸う音も、聞こえてくる。
星の光も映りそうな真っ直ぐな瞳。見ているだけで、吸い込まれそうになった。
「夏仍───どうした?」
急に名前を呼ばれたかと思いきや、目の前には彼の顔があった。
見ていただけなのに、なんだか大事がバレたような感じがして、目をそらす。
今なら……今なら、
キスさえ、あと数センチ動けば出来てしまうぐらいなのに……どうして。
……こんなにも、胸が苦しいんだろう。
もし、何かを言われたら、今にも泣き出しそうで、脆い、私。
「轍、霧雨、汐見……」
そんな私を気にすることなく、悠真が再び前を向いて、三人の名前を呼んだ。そして、続ける。