「汐見さんも、こっちに来て」


「う、うんっ」




窓際に皆でならんで、私達は真っ暗な空を見た。




五人の影すら、この教室には映らない。部屋も空も暗く、その静けさは妙に心地がいい。





「……綺麗だね」




空に瞬く星たちは、いつこの星に降ってきても、おかしくないぐらいに近くにあった。窓越しというだけあって、あまり身を乗り出したりして、遠くを見ることは出来なかった。






「何か星座とかあるんだろうな。俺は全っ然知らねぇけど」



「私もだよ。校舎から星を見るなんて、夢にも思ってなかったし」




ふたりの会話は、そこで途切れてしまったけれど。



ふと、隣を向くと、悠真は真っ暗な空に目を通して、私を見た───笑った。