無表情で、じっと上から私たちを見下ろしている。
訳が分からない。教室に入ってくるなんて聞いていないのに。
突然のことに戸惑っていると、刹那、鳴り出す放送のチャイム。
〈ピーンポーンパーンポーン〉
チャイムの後に聞こえたのは、「トントン」と、マイクを叩く音。
そしてその後に聞こえた放送に、忘れもしないあの恐怖が、頭を過った。
『──あー、あ、マイク入ってる?
どうもー、三年生の皆さん。
初めまして……っていうか、二回目だよね。
突然だけど、これからちょっとした休憩のため、特別に【ミニゲーム】をしたいと思いまーす』