「で、どうだった?交渉は」
悠真が隣で呟いた。
本来の目的を忘れていた。……そっか、轍と朱美が行ったのも、そのためだったんだよね。
轍が答える。
「多少はビビってたけど、まあ、悠真の時と同じような感じかな。すぐに交渉成立って訳にはいかないと思う」
「前の奴らみたいに、ちゃんと逃げてくれればいいんだけどなぁ」
悠真がため息をつくと、朱美が首を横に振って、呆れたように呟いた。
「上から目線だけど……一様、私たちの意見をうのみにして教室を移動して、仮にその教室が爆発したとしたら、私たちのせいで死んじゃったってことになるんだけどね」
ぶわっと、悠真の額に脂汗が滲む。