悠真の話の流れに合わせるように、時折、小さく頷いた。




「何か、教室に入ると違和感があるらしくて、あんまり入りたくないん……だよな?」



「うん……」




とは、言っても。私の都合に皆を合わせたくないし……。



朱美の声が頭上から落ちてくる。何やら「う~ん」とか「え~っと」とか声をあげて、迷っているようだった。




しばらくすると、何かを決意した轍の鼻息が、ふぅっと聞こえてきた。




「そっか……。じゃあ、もう少し落ち着くまで廊下にいるか?」



「いい、の?」



「まぁ、俺達も、相当佐山に気を遣わせてるし……な?今までの仮、って言ったら何だか変だけどさ。それでいいかな?」



「うん…………ありがとう」





───改めて、私はこのチームの温もりを感じられた気がした。