「……大、丈夫。早く、行こう」



私が足を引きずるようにして前に出すと、後ろに出していた左手を、轍に掴まれた。




「そういうわけにもいかないだろ。二階じゃ佐山が辛いし……」




二人が早く行きたいなら、私を置いていっても……いいのに。



朱美も、心配そうに私を見ている。



「そうだよ。無理しなくていいから、一階の方に行こ?」



「でも、二人は……」



「連帯責任。二人だけ二階ってのは無しだから。な?」



連帯責任じゃなかったら、良かったのに……。そう、心の中で呟いた。





「ごめんね……二人とも」



私が謝ると、轍と朱美は首を横に振った。



私達は一階に向かって用を済ませると、すぐに二階に帰ってきた。