私と朱美と轍は、階段前の廊下にさし掛かっていた。



角を曲がって顔をあげると、そこに広がる光景に、思わず声を失ってしまった。



「あ、……」



恐らく退場を受けたであろう生徒の死骸が、廊下を埋めるようにしてそこにあったのだ。



「夏仍、見ちゃ駄目だよ……」




朱美や轍も、目を瞑っている。




「うわ……ひでぇな、こりゃ」



また、みぞおちの辺りが気持ち悪くなってくるのを感じる。



どうしよう……また、足が震えて。体が動かなくなって、思わず戻しそうになる。




「佐山、大丈夫?来る前に見たときは、まだマシだったし……一階に行こうか?」



轍が背中を擦ってくれて、少しは楽になったけど。……これじゃあ、先が思いやられる。



……皆にも、また、迷惑をかけてしまう。