香里に言われて俺もスマホの画面をタップすると、メッセージアプリの通知が何件か届いていた。


「花火を買いに行く組と待機組に分かれてるっぽいな」


「私達も行こ。集合場所はここの反対側だから」


「あーやっぱ肝試しする場所ってこの神社のことか」


「言われてみればそういう雰囲気ある。怖い、けどやりたい!」


「お前肝試しやって平気?足場悪いと思うぞ」


「絆創膏貼ってもらったから大丈夫。早く行かないとね」


「あのさ、その前に話があって」


「ほう。話とは?」


「明日の打ち上げ花火。一緒に見よう」


香里の前に立ち、しっかり目を合わせて言う。予想通り、香里は目を見開いて驚いている。


「……えっと、それは」


「誰かと約束してた?」


「ううん。約束はしてないし予定もないけど」


「ならいいじゃん。この祭りの打ち上げ花火、結構評判いいから見ておきたい。付き合ってよ」


「でもこのあと、裕貴のこと誘う人いるかもしれないし……」


「俺はお前と見たいっつってんの」


こうやって誘ってんだから他の人に一緒に見ようって言われたとしても断るだろ、察してくれ。