「そうしようかな。でも裕貴は平気でしょ?私は適当に座って休んでるから裕貴は友達のとこ行って大丈夫だよ」


「アホ。1人になんかしねぇよ」


俺に気を遣うんじゃなくて、自分の足を心配しろ。


「ここの近くに休憩にはちょうどいい場所あるから、そこまでは頑張れるか?」


「いける。ありがと」


神社に続く長い石段の両脇にはベンチがおいてあって、そこなら人通りも少ないし休める。


香里の様子を気にしながらそのベンチまで行き、手をとって座らせた。


「こんな場所あったんだ、今まで知らなかった」


「こっちには模擬店ないし、普通は来ない」


「そうだ!皆に連絡しておいた方がいいかな?離れるんだったら連絡しろって言われてたし」


「それはもう連絡しといた。了解、だってさ」


「おお!さすが裕貴……っ、た」


「香里?」


下駄の緒に指先で触れる仕草をみせた。やっぱ靴擦れしてんじゃん。


「下駄、脱いで。見せてみな」


「ちょっと痛いだけだし、これくらい我慢しないと」


「絆創膏持ってる?持ってるなら一応貼った方がいい。ほら、貸せ」


「いいよ、自分でやる」