「ひろ君のパパって、どんな人?背は高い?」
「おっきい!これくらい」
ひろが頑張って背の高さを示そうとしてくれるけど、まぁアバウトになってしまうのは仕方ない。
「ん~、このお兄ちゃんより高い?」
「もっとおっきい!」
「お洋服は何色着てた?」
「くろ!」
「身長が裕貴より高くて黒い服を着た人、か」
「俺176あるから、それ以上だとわりと目立つはずだよな」
「うん。お店の人も覚えてる可能性は高いね」
ひろと同じくらいの年齢の子達が群がってる林檎飴の店に到着。タイミングを見計らって店の人に聞いてみる。
「あの、すみません。この子と一緒に俺より背が高くて黒い服を着た人、来てませんでした?」
「長身で黒い服の人ねぇ」
「はい。もし覚えてたらその人がどこに向かっていったか教えて欲しいんすけど」
店員はどうだったかなぁと首を捻って思い出そうとしてくれる。けどあまり良い答えは期待できそうにない。
「見たような気もするが……なにせ人通りが多いからなぁ。一瞬見たかもしれない、程度にしか覚えてないんだ」
「そうっすよね」
「忙しいのにすみません、ありがとうございました!」