菊地と浅川は先を歩くアホ2人に追いついて、あれやろうこれやろうと楽しそうに話しながら歩いていった。


「ふふ、元気だね4人共」


「はしゃぎすぎて明日屍になってるパターンだろ、あれは」


ペース配分っつーのを考えろと言いたくなる。呆れながら残り少ししかないクレープを一気に口に放り込む。


「パパー!!パパー!」


近くで今にも泣きそうな子供の声が聞こえてくる。可哀想になぁ、怒られたのか?


「ねぇーパパァ!!ひっく、パパ」


父親も許してやればいいのに。夏祭りなんだからはしゃぎすぎることだってあるだろ。


心なしかさっきより大分声が近く聞こえ……。


「ひっ……、パァパー!!」


「…………」


周りからちらちら向けられる視線、子供の声の近さ。嫌な予感がしてそうっと下を向いてみると。


「ちょ、は!?」


「う、パパがぁー!!」


何故か見知らぬ小さな男の子が足元にしゃがんで泣きじゃくっていたのだ。


「どうしたの裕貴……て、その子……裕貴の?」


「待て待て待てどう見ても違うだろ!」


「パパー!ひっ、うぅ」